DX Criteriaでアセスメントしてみました

こんにちは、QAエンジニアの田井です。

皆さんはDX Criteriaというアセスメントツールをご存知でしょうか?昨年12月に公開されたアセスメントツールで無料で活用できます。そこで、さっそくアセスメントしてみました。
今回はその結果を公開したいと思います!!

DX Criteriaとは?

DX Criteriaは一般社団法人日本CTO協会が第一弾を昨年12月に公開したものです。5つのテーマ、各テーマの8つのカテゴリーの320個の観点があり、観点に「はい」、「いいえ」で答えていくと評点が集計できます。このようなアセスメントは有料が多いのですが、DX Criteriaは無料で公開されています!

「2025年の崖」を乗り越えるために、デジタル技術を活用できているかを表す「Digital Transformation」とエンジニアにとって働きやすい環境やシステムが整っているかを表す「Developer eXperience」の2つの「DX」を推進しています。

導入のきっかけ

弊社ではQAチーム内でのテストプロセス改善を行うため、数年前からTPI-NEXTの導入し、定期的にセルフアセスメントを行っています。
元々は開発プロセスでボトルネックとなりやすいQAプロセスを効果的に効率的に進めることで、開発プロセス全体の高速化を目指して導入しました。
ただ、QAチーム内でのプロセス改善だけでは十分な効果は出ず、開発プロセス全体の改善ができることが求められていました。

様々な方法を検討したのですが、最初はCMMIでプロセスの最適化を目指しました。CMMIの能力領域のうち、サービスの提供と管理作業の計画と管理を進めたのですが、説明の抽象度が高く内容を理解するのに時間がとてもかかってしまいました。逆を言えばいろいろな対応をできるというメリットでもあると思うのですが、弊社としてはスピード感のあるアセスメントモデルを求めていました。

このような状況でCMMIでのアセスメントを続ける中、出会ったのがDX Criteriaです。無料で使えるということと、観点に「はい」、「いいえ」で答えていくのですが、具体的な観点が多いので比較的短時間で実施できるのではないかということで試してみました。

TPI-NEXTに関する記事は下記をご参照ください。

TPI NEXT®導入による品質管理のプロセス改善の成果
TPI NEXT®を社内で1年半やってみて

アセスメント方法

弊社には開発プロセスを統括する開発統括チームがあります。まずはそのメンバーでテーマの1つ「チーム」をアセスメントしました。

「データ」や「システム」はアプリエンジニア、サーバーエンジニアと一緒に、「デザイン」はデザイナーと一緒にアセスメントを進めました。このような進め方をしたのは、開発統括チームのメンバーだけでは観点を判断するには限界があることと、リアルな意見を取り入れないとアセスメントの意味がないと考えたからです。

それぞれの専門職のメンバーとアセスメントをしたことで、アセスメントのスピードも格段に速くなりました。

結果も重要なのですが、何よりの収穫となったのはそれぞれの観点について意見を交わしたり、この観点はしっかりとできているとか、この分野は全く考慮していなかったとか、ここは改善が必要だなど様々な発見がありました。

アセスメント結果

アセスメント結果は以下のようになりました。アセスメントシートの評点は数字で表示されるので、その結果を元にグラフにしたものです。

この結果を見ると、コミュニケーションツールはSlackのようなチャットツールの導入などで、オープンなやりとりを積極的に行っているため評点が高く、機械学習プロジェクト管理はそもそも導入していないので0点でした。

また、振り返り習慣ユーザーインタビューなどの評点が2点以下でした。
振り返り習慣については、振り返りは行っているもののKPTの内容を確認するだけになってしまい、データを元にした振り返りや次プロジェクトに向けた改善案を明確にタスク管理してないためです。

ユーザーインタビューも頻繁には行っておらず、既存顧客や潜在的な顧客がどういうものを求めているかをデータ化しておらず、プロダクトの改善にも活用されていない状況であることが明確になりました。

このように自社の強みや弱みをはっきりと認識できたので、アセスメントをしてとても良かったと感じています。

今後

今回のアセスメントで評点が低かった部分については、自社にとって必要な部分は改善していこうと思っています。また、資料にも書かれていますが、このアセスメントを満点にすれば良いというものでもないので、弊社の経営戦略に沿った改善を行っていきたいと思います。

TPI-NEXTと同様に半年などの定期的なインターバルでアセスメントをしていき、変化も見たいと思っています。